ドリーム小説 私はたまらなく彼が好きだ。

そう、誰よりも好き。

たま〜にふら〜としちゃうけれど、それでも、大好きだ。


だけど、私はちょっとおかしい。



彼は面倒くさい事が大嫌い、意味の分からない事なんてもっと嫌い、そう、
私こそがまさに"嫌いなタイプ"なのだ。彼にとっての。

いつフラれてもおかしくないのに、彼とはもう、2年も続いてる。

ケンカだっていっぱいした。
いつだって私の些細な"気持ちの変化"で彼を怒らせたり、困らせたり、いろいろさせた。


そう、だから、本当にいつ別れてもおかしくないのに。


「ねえ キョン」

「ん?どうした?」

「そろそろ別れてもいいんじゃないかな?」

こんな質問だって、たぶん私からしてみれば何でもない質問。
普段から思ってることを ふとした瞬間に言ってみる。
そうして、ケンカに発展したり、気まずい雰囲気を作ってしまう。

今日だってそんな感じだった。


「そろそろわたし 嫌われてもいい頃だと思う。」


彼は困惑した顔などはせず、ただ、驚いた顔をした。
いや、"また、か"という顔なのかもしれない。

でも彼は何も応えることはせず、ただ、私に近づいた。そして無言で抱きしめてくれた。
ぎゅう、と。


それから、私の欲しかった言葉を彼は汲み取ろうともせずに呟いた。

「じゃあ別れるか?」

「…なんで、 何でそういうこと言うの、」

が訊いたじゃないか。そろそろ別れてもいいんじゃないのか、と」


違う――違う違う違う

その瞬間に喉の奥が一気に熱を帯びてきて苦しくなる。
目頭の奥もツンとなって、すごく辛くなってきた。

そう、泣く一歩手前の状態。


「俺はに任せるよ。」


そう言うと彼の顔は微かに笑っているようにも悲しんでるようにも、どっちにも捉える事が出来る表情をしていた。 だから、私はつられてしまったんだ。つられて、泣いてしまった。 いや、正確には"つられた"のではなくて、"つられたフリをして"泣いてしまった。

そんな言葉を言って欲しくて訊いたわけじゃなかったのに、
上手く疎通出来ずにそんな言葉を聞いてしまった自分にショックを受けた。


―――うっ ひっぅ…っうぇ…う、




彼は腹立たしい位の優しさを私にくれる。

その優しさにどうも素直になれない私。また、また彼を困らせんとばかりにわんわんと泣く。 鼻水だってお構いなしに彼の制服に押し付けて。涙だって彼のネクタイでたくさん湿させる。

私のこの情緒不安定に何度、彼を困らせたんだろう。
どれだけ治そうとしても治らなくて、治りきれなくて。
再発を繰り返す。


どれだけ彼のことを大好きだと認識していても
ちっちゃい事で一気に大嫌いになる。

世界一大好きな人が
世界一大嫌いな人に変わる時。



「きらい、きらい、きらい…」

「本当に嫌い?」

こうやって、確かめる優しさなんか特に大嫌いなのに。

「…嫌いじゃない。」

本当はどうしようもなく、本当にどうしようもない程に彼のことが好きなんだろうな。
きっと、愛してる。

「俺はのこと大好きだよ?もそうだよな?」

「…ずるい、ずるいよう。」

こんな彼女を許して、こんな私を許してください。



(苛立つほどに嗚咽が止まらないほどに彼を愛してる)



(本当は嫌いなんかじゃないよ、本当に大好きなの。こう…なんていうか、キョンが居なかったら、あたし、絶対死んじゃう。 一人で生きてゆけない。って感じ。それくらい、大好きなの。だからお願い。居なくならないで。見捨てないで。離れちゃイヤ。)
(ん、分かってる。絶対に離れないから。)