ドリーム小説
楽しそうな女の子たちの笑い声が聞える。
…なんだかこうしているとストーカーをしているように思えて、笑えた。
だけど、事実ストーカー紛いな事をしてるため笑うのをやめた。
――通過時刻まで後5分。
もうすぐ彼がここを通る。そしたら偶然を装って話す。
大丈夫…彼は優しいから相手にしてくれる。
―ドックンドックン。
心臓の鼓動が煩くなってきた。
……後もうちょっとの辛抱だからちょっと黙って。
掲示板を見る振りをして彼を待つ。
この後の予定を楽しそうに話して去っていく女子生徒たち。
あぁ…私も前は駅前のアイスを全種食べてやろう!と燃えていたのに。
いつからだろう?こんなコトをしてるのは。
気付けばいつも彼でいっぱいになってた。
――通過時刻まで後2分。
もう何回読んだか分からないSOS団の団員募集の張り紙をもう一度見てみる。
ここに入れば彼と毎日会えて何でも話せる。
だから今日はそのお話をするの。自然に…ごく自然に、前々から計画していたという事を悟られないように。
―トクトクトクトク。
練習はしてきた。誰が見ても不自然じゃないってくらい練習した。鏡の前で笑顔の練習もした。
後することは?…あ、服装。前髪チェック。スカートチェックに靴下チェック。
リボンもチェックして……うん大丈夫。
何を緊張しているんだろう。ただSOS団ってどんなところなの?と聞くだけ。
そしてさり気無く見学させてもらう…ただそれだけ。何も気持ちを伝えるわけじゃない。勘違いするな、私。
さぁ…人生最大の大イベント。大舞台。ちゃんとこなせるかな?―こなせるに決まってる。
お気に入りのパステルカラー色の腕時計は
――通過時刻まで後1分をさしている。
団長さんはどんな方なのかな?…きっと面白い人なのだろう。
団員さんもきっと優しい人。そう……だって彼が入っているくらいだもん。きっと皆優しい。
これが成功すれば私は青い春を楽しむことが出来る。…全ては私次第。
―ドキドキドキドキ
あぁ煩い!!五月蝿くて集中できない。鼓動が私の精神を乱す。駄目…まだ……。
お願い、落ち着いて。大丈夫……普通のクラスメートとして接すれば良いだけ。
廊下の奥の方から足音が聞こえた。顔を確認することは出来ないけれど、時間と足音を聞けば分かる。
―彼だ。
さぁ…本番。頑張れ…!!!
―――たまたま通りかかった少女は、掲示板に貼られていた団員募集に興味をよせていた。
『ここはどんな事をしているんだろう?』
『・・・ちょっと興味があるなぁ。あ、確か同じクラスの古泉君はSOS団員だったよね??』
『彼に聞けば良いじゃない!!あぁ…でも恥ずかしいしなぁ。』
腕組をして考える。どうしようか…?う〜ん。明日どうせ会えるから明日聞く?
でも…せっかくこの時間まで残っているんだし……それなら直接部室へ出向いた方が早いのかな?
さて、どうしよう?
彼はもうすぐそこ…こんなに熱心にチラシを見ていれば大丈夫。話しかけてくれる。
もう一唸りしてみる?―う〜ん。
――来る…来る…!
5秒前…4、3、2、1―――。
「何をそんなに見つめているんです?」
ビクッ!
変な奇声と同時に振り返ると待ちわびていた彼が居た。
相変わらず背が高くていつ見てもカッコイイなって思ってしまう。
「あ…古泉君かあ…ビックリしたあ」
「驚かせてすみません。さんはさっきから何を見てたんですか?」
凄く熱心でしたね、と苦笑の彼。
「おや、この貼り紙は……SOS団に興味があるのですか?」
「ちょっとねー。…あ、そういや古泉君ってSOS団に入ってたっけ?」
ごくごく自然に、を肝に銘じて慎重に…だけど自然に話を振る。
「そうですよ。ふむ…もしよければですが、見学してみてはいかがですか?」
「えっ見学??」
ちょっとわざとらしかったかな、と思う。
変に声が上擦ってしまった。
「ええ。今日とかどうですか?きっと涼宮さんも大歓迎でしょうし。」
「でも……良いの?」
「私は全然構いませんよ。むしろ嬉しいぐらいです」
そしてニコッと笑った彼。
くらり。
この笑顔に私は惹かれた。いつもの笑顔じゃなくて、時々しか見れない笑顔。
この笑顔を独占したいな…そう思った日から全ては始まった。
全ての始まりである彼の特別な笑顔。
予想外の彼の笑顔に私の思考回路はショートしてしまった。
脆すぎるよ、私の頭。だから暗記系点数が悪いんだ。
「あ、えと…えっとえとっと…?」
「本当のことですよ?さんはいつも僕に熱い視線を送ってくれるものですから、気になって仕方がありませんでした」
「………え?」
熱い視線?熱い視線……太陽じゃないよね。
え、…バレ、バレてた?
「そして今回も偶然を装って、実は計画していましたよね?ふふっ」
「なぁっ」
本当にバレていた。そんな…完璧だと思ってたのに。
開いた口が塞がらない。…マジですか?
じゃあ、じゃああ!!
いつも窓辺に座って寝ているのを見つめていた事も、クラスメートと楽しそうに笑っているのを見ていたのも全部分かっていた?
全部…全部……バレてた。
一気に顔が熱くなっていくのが分かった。多分古泉君が私を壁に追い込んでいなければ即逃げているところだろう。
……あれ、壁に追い込まれてる??
「逃しはしません。狙った獲物は逃がさない、ですよ?」
「狙った獲物…?」
「さんにあれだけ見つめられて、落ちない男は居ないんです。お分かりですか?」
「……は、はい?」
「貴方も見かけによらず、随分やりますね…」
冷静にそう言われても理解出来ないです。
というより本当に急な展開でおバカな頭ちゃんが付いていけてないんですけど?!
誰かこの状況をサルにも分かるよう、説明をお願いいたします…。
「」
「…っ」
「是非、SOS団に入りませんか?僕が推薦致しますよ。」
「えーと…その……は、はい!」
「それと、もう一つお願いがあります。聞いてくれますか?」
「あ、はいっ」
―――ドキドキドキドキドキ
五月蝿い。せっかく彼がお願い事を言ってくれるのに、聞こえない。
淡い期待なんてしちゃ駄目だよ。だから静かにして。
「僕のことをこれからたくさん知って下さい。」
「えっ」
「いきなり付き合って下さい、は唐突過ぎると思いまして…まずはお友達から、やってみませんか?」
「お友達…」
「本当は今すぐ僕のモノしたいんです。ですが、物事には順序というものがあるでしょう?なのでお友達。良いですよね?」
―負けた。完敗。
彼には敵わない。この人に敵うわけが無いんだ。
どんなに落ち着いても、これは駄目だよ。
完璧に貴方に落ちた瞬間だった。
「よ、よろしくお願いします…!」
「良かった。あ、その代わりあまり"お友達"の期間は与えませんよ?早く色々な事をしたいですしね。」
「いろんなこと?」
「その時までの秘密ですよ。では、部室はコチラです。」
「あ、はい!!」
恋っていうのは本当に突然で。
何が起こるか分からないし、そのタイミングも分からない。
だからこそ……楽しいのかもしれない。マンガみたいな恋愛が出来る場合もあれば、色んなレパートリーがある。
突然振ってきた愛をどうしようが自分次第。
……私は永遠に愛されるように努力をするのみです。
一周年記念☆御礼小説*1作目* 古泉一樹×クラスメート
気の強い子に見えて実は案外乙女な女の子、という設定で書いてみましたv
彼が通る、彼が話しかける、彼と会う…その5分間というのは凄くドキドキすると思うんです。
なので、前半はそのドキドキ感メインでした(*´∀`*)
後半は、『人生何があるか分からない』というのを書きました。
実際急展開過ぎて、リアリティに欠けてますが(苦笑)
古泉君の口調が途中分からなくなってしまい、少々アレ?って思う所があるかもしれません。スミマセンorz
人生ってホントに何が起こるか分かりません。なのでいつ幸運が舞っても良い様に日々自分を磨いていきたいなぁと思いますv
有言実行、というのは難しいですが;;