「ちびうさアンタまだ喧嘩なんてしてんの?」
「うっるさいなー!うさぎには関係ないでしょ!」
「あーはいはい。分かりましたよー」何よ、人がせっかく心配してるのに

分かってるよ、あたしだって早く仲直りしたいもん。






あたしとエリオスは数日前喧嘩をしてしまった。
原因は今考えたら凄く下らないんだけど…あぁなんだったっけ?
とにかく凄くどうでもいい事であたしから一方的に怒ってしまった。
そんな私を、エリオスは宥めることも反論する事もしないからそんな反応にまた悲しくなって
一週間くらい連絡を取っていない。

「やっぱあたしから連絡するべきよね…」


分かっているけれど、受話器を握ることまでは出来るのに電話番号を押す勇気は出てこない。
エリオスが悪いわけじゃないんだから向こうから掛かってくることは無いことくらい知ってる。
でも、やっぱり今日も電話の前で立ち往生。

あぁあたしらしくないなー。


時間も時間だし今日も諦めようと握り締めすぎて少し熱くなった受話器を置こうとしたその時、

―ピンポーン


盛大に玄関からチャイムが鳴り響いた。
急いで玄関口へと向かってもう一度チャイムが鳴り終わる前にドアに手を掛ける。

もしかして、と期待をしながら。








「どちらさまです、か・・・・」












「郵便です」




















「え、りおす…?なの?」




「急にごめんね。ちびうさちゃん。」











ちびうさちゃん、と呼ばれるまで完全に分からなかった。
玄関の外にいたのは明らかに郵便屋さんの制服と帽子をかぶっているエリオスだった。
両手に何か荷物を持っていて、確かに郵便屋さんっぽかった。

それよりも、なんで?

素直に喜んで良いのか、反応をどうしていいのか分からない。
何か言わなきゃ、と思い、咄嗟に口から出たのはごめんねの言葉だった。


「ん?なんで謝るの?」

「この間エリオスは何にも悪くないのにあたしが怒っちゃって電話もしなかったから…」

そう言うとエリオスは、あぁそういえば喧嘩してたねー、と思い出したかのように笑った。
あれ忘れてたの?と聞くとすっかり忘れてたよ。

「じゃ、じゃあどうして今日来たの?」

「・・・ちびうさちゃんこそ忘れてるんじゃないか」




今日は何日だったかな?と言われ急いでカレンダーを頭の中で作る。
確か6月の…29日だったはず。・・・・あ!


「思い出した?」

「そ、っか・・・・。あたしの誕生日だ・・・。」

「うん。だからお祝いに来たんだよ」

すっかり喧嘩のことでそこまで頭が回らなかった。そうだよ、あたしとうさぎの誕生日じゃない!
あまりの自分のバカさと彼の優しさに泣きたくなった。

それと、彼がわざわざお祝いに来てくれたことが嬉しくてサンダルを履くのも忘れて

思いっきり抱きついた。


「っわ?!」




「もうエリオス大好き。ありがとうね。」


ちゅっ



「っ!!」








「ちびうさちゃん」

「なに?」



「お誕生日おめでとう」




「ありがとう!」


そういって彼は小さなピンクのペンダントをくれました。