「おだんごー桜が綺麗だぞー!」
今日はいつもと違った。
「んー・・そうだねー。お花見したいね!」
「また食い物かよ。」
どこか違って大人っぽかった。どうしてだろうか。
「あっおだ・・」
桜吹雪が一瞬君を攫った。目くらましのように桜が吹く。
思わず片目をつむる。そして・・目を開けるとちゃんと君はそこにいた。
「どうしたの星野?」
優しく微笑んで問いかけてくる。君の周りには桜の花びらが離れようとしなかった。
「駄目じゃないか。おだんごは俺のものだぞ。」
そういい、君の周りの花びらたちを優しく春風に乗せる。
君は僕だけのものなんだ。金色の髪がピンク色の春風に揺れる。
「さ、行こうか。」
桜たちに優しく後押しされながら、僕は君の手を強く握った。
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「やーてーんーくーんー!」
「なんだよ・・・。」
「もー、そんなめんどくさそうな顔しないで!」
桜の木の下ではしゃぎまわる君。
金色の輝かしい髪とは反対にピンク色の花びらが僕らを包む。
無邪気に笑って花びらと戯れる君。
「夜天君もこっちー!」
そう呼ばれ、仕方なく桜吹雪が止まない桜の木の下へ向かった。
周りに視界をやれば、一面ピンクの世界。淡く桜の匂いが僕の鼻をくすぐる。
そして、君と唇を合わせる。
ほんのりと桜の味がした。
桜の淡い色と匂いに包まれ、僕らは幸せなときを過ごす。
「美奈子行こう。」
また来ようね。という君の願いを僕は素直に受け入れた。
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「桜が綺麗ね」
そう言った時のハルヒの笑顔は、今まで見た事無い笑顔だった。
ハルヒでもこうやって鑑賞をしたりするのか、と思わず俺は関心してしまった。
「桜かぁ.....」
満開の桜の下で、今度は切なそうな顔で桜の花びらを見ながら何かを懐かしんでいる気がした。
こうやって横顔を見る限り、普通の美女にしか見えないのに、な。
というか、変な思考さえなければ良いのにな。
ま、そこがハルヒの特徴とでもいうのだろうかね。
「ねぇ―――」
俺の方を見て、何かを言ってくれたのだが、強い桜吹雪により聞きとれなかった。
「―っ」
まだ続く桜吹雪の中で、なんとか目を開けてハルヒを見ると
そこにはハルヒは居なかった。
俺の前には、黒髪のセミロングをピンクの花びらと共に靡かせている美少女がいた。
淡く強い瞳でこちらをずっと見つめている。一体何を伝えたいのだ。
俺はただその人を見るだけだった。何も問わない。向こうも何も言わない。
珍しい小動物のような目で見ていた。
すると、ローズピンク色の唇が微かに開いた。
そして何かを言おうとした瞬間…また強い桜吹雪が舞った。
「桜がすごいわねー!桜吹雪ってなんかミステリーよね。」
桜吹雪が落ち着き、俺の前にはハルヒがそこにいた。
ハルヒの知らない一面を知る事は
きっと、恋に落ちてしまう事なんだ、と
俺は思った。