「あ、あの…古泉君?」

貴方の前には何故かニッコリ微笑んだ古泉君が居ました。

「あ、起きてしまいましたか。」
「えー…と……?」

うつ伏せて寝ていた貴方は、何がなんだか分かりません。
どうして彼とこんなに近いのでしょう?

「…今何をしようとしてたの?」
すると彼はふっと笑ってこう言いました。
「僕がどんな事をしようとしたと思いますか?」
「え?」

意味の分からない質問をされて困る貴方。古泉君は何をしようとしたのでしょう?

「ふふ、分かりませんか?」
「う、うん……。」

普段からあまり接する機会の無い彼でしたので、分かるわけが無い貴方。
すると、まだ寝ぼけていた貴方に彼はもっと距離を縮めてきました。

「わ……」
「では、答え合わせですよ?」
「えっ?…っ!!!!!」

貴方の唇に古泉君の唇が触れました。咄嗟の事で抵抗するという事が出来ない貴方。
その証拠に貴方の手首はがっちりと彼に掴まれています。

しばらくして、貴方の唇から彼の唇が離れていきました。
「…さて、答えは合ってましたか?」
意地悪そうに笑う彼に、戸惑う貴方。

「どうして…こんなことしたの?」
クラスメイトというだけで、何にも関わりが無い貴方と彼。
彼のことはSOS団とかなにやらで知っているだけ。
貴方は特に目立つ子ではありません。

「貴方が好きだったからです。そして貴方に触れるチャンスがあったので、触れたまでですよ?」
「…なっ……」

「と、いうことなので是非お友達になっていただけませんか?あ、拒否権は無しですよ。」
おかしいなぁ、初めて話したのに、もう惹かれて行ってる気がした貴方。
その笑顔に負けた貴方は「良いですよ」と答えました。

「それは良かった。では、今日一緒に帰りませんか?」
「え?」
答えを出す前にもう貴方のカバンを持っていた彼。有無を言わさないみたいです。
「では、いきましょうか」
そう言って、手を差し出す彼。貴方は戸惑いながらも手を差し伸べました。

「これからよろしくお願いします。」
「は、はいっ」


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今日は一人で下校するうさぎちゃん、しかし突然の雨でなかなか帰れません。
あいにく傘を持っていないのです。
「うわーん…どうしよう?」

すると、聞き覚えのある声が後ろから聞えました。
「おだんごじゃねえか、何してんだ?」
「あ、星野!」

そして星野の右手には傘がありました。
「もしかして傘をわ……」
「お願い!!一緒に帰れないかなぁ?…無理だよね。」

星野は嬉しい反面、そんなまぬけな顔を晒すまいとクールに振舞います。

「ったくーしゃあねぇな。今日この傘貸してやるよ」
ほれ、と言って傘を渡す星野。
「え、いいの?!あ…でも星野は?」
「俺は迎えの車呼ぶから平気」

そう言ってPHSをポケットから出す星野。

「ホントに良いの?!」
「良いって言ってんだから、素直に受け取れよな」
ありがとうっ!と満面の笑みで星野から傘を受け取るうさぎちゃん。

「星野に貸し出来るの悔しいけど…お礼は何が良い?」
「お礼なんていらねぇよ」

とは言いつつ本当はお礼がほしい星野。しかし紳士の振る舞いをするに当たってそんな事は言えません。

「ん〜じゃあ、今度まこちゃんのすっごく美味しいケーキあげるね!」
「お前が作るわけじゃないのかよ」
「不味いケーキでも良いんなら、良いけどっ」
「お前……俺のために頑張ろうとか言ってくれよなー」

誰がアンタのためなんか!と舌を出して反抗するうさぎちゃん。

「…でもすごく助かったからちょっとは頑張る…かな。」
下を向きながらぼそっと言ったうさぎちゃんに、可愛く思った星野。

「お、珍しく素直だなぁ」
「なっ!!あたしはいつでも素直ですよーっだ!」
そう言って膨れるうさぎちゃんの頬をつんっと触れる星野。

「はいはい、そうだな。あ、そろそろ迎えが来る頃だ。んじゃあなおだんご!」
ぽんぽんと少し赤くなっているうさぎの頭をしてやる星野にうさぎちゃんは更に赤くなりました。
「…っお、お仕事頑張ってね!」
そう叫ぶうさぎちゃんに星野は手だけを振って去っていきました。
「ドキドキしちゃって…変な私。」


空を見上げれば雨はすっかり止んでいました。
「…まぁ、いっか!」
うさぎちゃんは晴れにも関わらず傘をさして鼻歌なんて歌いながら帰っていきました。


後日、うさぎちゃん特製のケーキは大成功だったとさ、めでたしめでたし。
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