「あー…だるーい……。」

とか言いながら雑誌をめくりながらお茶をすする。

確かに熱はあるのだけれど5時間ほど寝るとすっかり引いたみたいで
明日は登校決定かなぁ。





下にはお母さんがテレビを観ていて降りることが出来ないし、
ルナは何処かへ散歩に行ってる。
こんなに天気が良くて体調も良くなってきたあたしは
遊びたくてうずうずしていた。

遊ばなくても良いからみんなに会いたかった。




そんな1人でぶーたれていると家のチャイムが鳴った。
お母さんのハーイという声が聞きながら雑誌に目を落とした。


「可愛いな〜♪」

にしてもみんな可愛くて足が細くて羨ましい!
顔もちっちゃくて女の子らしい。
こういう雑誌は見るだけで楽しいし勉強にもなる。
女の子だったらやっぱりチェックするべき。

みっともない格好でベッドの下に隠していたお煎餅の袋を取り出して一口。


それと同時に聞き覚えのある男の子の声がドアの向こう側で聞こえた。


「多分あの子寝てると思うけどそれでもいいかしら?」

「構いませんよ」

「じゃあゆっくりしてちょうだいね」



誰かあたしに会いに来た?!
急いでお煎餅を下に置いて布団をサッとかぶるのと一緒にガチャリとドアが開いた。











「・・・・・・・・・寝てるか。」


その声で分かった、星野だ!
で、ででもどうしてうちに来てるの?!


一瞬のうちに心臓がドキドキと鳴り出してしまった。
忍び足のような足音がベッドに近づいてくるのが分かる。
布団を頭まですっぽりかぶってしまったので星野が何をしているのか分からない。
けれどその分あたしが目を覚ましている事や顔を熱くしていること

ドキドキしていることは知られない。


「・・・せんべい?」


ベッドのすぐ下に置いたせんべいを見つけられたみたいで
それを手にとって星野はどうやらベッドに座ったらしい。軋む音がした。



―ドキドキドキ

心臓の音が今までに無いほど音を立てていた。
星野が傍に座ってる、と考えただけで熱が40度まで上がりそうな勢いだった。
こんなにもドキドキしてるのは風邪が悪化したからだって思いこもうとしている自分が居た。


「おだんご、明日来いよな」

思わず「うん」と言ってしまいそうになり慌てて口を塞ぐ。


「・・・・みんな寂しがってたぞ」

・・・・・じゃあ星野はどうだったのよ。


「お前が居ないと楽しくないってさ。愛されてるなおだんご」

だから星野はどうだったのよ?!
叫びたい衝動を抑えてじっと聞く。


「なんだかんだ言って、」


そこで言葉が切られどうしたのかな、と不思議に思っていると
いきなり布団が捲られ目をつぶった。火照った顔に冷気が触れる。
心臓もドックンドックン鳴っていてこれじゃあ星野に気づかれちゃう!!


そしてそれは更にヒートアップした。







ひんやりと、だけど温かい感覚を額で感じた。
考える暇も無くそれは星野の手できっと熱を測っているんだと思った。

「・・・・・この熱じゃ明日は無理なのかな」


そう聞こえたのと同時にちゅう、という音も聞こえた。


「ひゃっ?!」

「寝たフリしてんじゃねーよ。おだんご」



バレバレだった。





「なっなんでわかったの?!」

「食べかけの煎餅と温いお茶と開きっぱなしの雑誌で分かった」

「あっ、そ・・・・。」


星野にバレてもうドキドキすることなんてないはずなのに
心臓がまだドキドキ言ってる。

―どうして?



ぼーっとしていた、その時、急に目の前が暗くなった。




「っ?!」
「なんだ、やっぱりまだ熱あんのか?早く治せよな」

「おでっおで、、、おでこ?!」

ハイスピードで後ずさりをして深呼吸をする。

おでこで熱測るのってありがちなのにビックリするよー!!



「そんなとこまで行かなくていいだろ…」

「だっだだだって!今ので熱あがっちゃったらどーすんのよ?!」


実際星野が傍に座ってただけで顔が火照ったのにおでこなんて!
あれ、それよりもでこチューのほうが問題?
…この際どっちでもいいけどどうしてくれるんだろう!


「っていうか!みんな寂しかったって言ってたけど星野はどうなのよ?!」

「え、」


そうよ、どうせ星野は来てほしくないからこんな事をするんだわ!
星野は私が居ない方が楽しいから、変な事するんだ。

だからこんなにドキドキさせるんでしょ?


「そ、それは…」

「ほっら何も言えない!だからこんな事するんでしょ?!見損なったわ!」

「それは違う!!!おい、おだんごこっち向けよ」

「どーっせ私が居ない方が楽しいわよ!そうよ!!星野は人の気も知らないで!!!!」






「俺はお前が好きなんだぞ!!!!」











一瞬熱が引いた感じがした。

今…なんて?好きっ、て?…どういう事?

ダメだ…今ので完全にパンクしたらしく目が回って心拍数がドクドクドクドクと速い。
クラクラする。

「な、なんでこんな時に言うのよ・・・・」
「ごめん…だけど本当なんだ!」

視界がぼやけているのは涙のせい?それとも熱のせい?

そんなのどっちだっていい。




「・・・・・じゃあこの上がった熱、どうにかしてよ。」
「了解。」



返事なんて要らないでしょ 要るなら熱が引いてから答えるから

だから今はこの熱をどうにかして


このドキドキだけは消えぬように。





(予想外から始まる2人の恋)